「病気」という名の「病気」

基本、人好きで、人の観察が好きな私は、

「なんでこの人はこの様にするのか?」

「なんでこの服なのか?」

「なんでこう言うのか?」・・・等々…

ほっとけ❗って話だけど、思ってしまうのを止められない…

 

以前の職場で、もうかなりベテランの方だったが、外へ出かけて行くのにいつもバタバタと…そして、必ず2回は戻ってくる・・・方がいた。

もう四半世紀もその仕事をしているだろう方だったが、要領ってやつが悪いのか、はたまた相当の忘れん坊なのか、それとも何かを訴えているのか?何日も家に帰れない。と嘆き?ながら、まさに四六時中バタバタと…

おうちに帰れないのか、帰らないのかはさておき・・・

本当にお仕事をがんばっている様子はわかって、ほぼ外回りの仕事で、パソコン等の操作が得意ではないおじ様たちの多い中、パソコンに吸い込まれそうな勢いで事務作業をしている時もあった。時折、我々派遣社員に「時間があるときでいいから。相談があるんだけど」と声をかけてくれるのだが、こちらに時間があっても、あちらは全く時間がなさそう・・・。

時を見計らって、なんでしょうか?と相談内容をざっと聞くと、それは仕事の効率化を図るために彼が考えている構想(妄想?)で、その話がまた要領を得ないので長い。

間に愚痴三昧。そしてやっぱり忙しそうなので、途中で「また!」となったり。

でも、思い描いている事は非常に「良い考え」で、その職場には本当に稀有な人材・・・なんだけれども、やり方がまずい。

なので、高尚な構想は、ただの妄想に終わってしまうことが多々・・・

 

そんなやり取りを何度かしているうちに、

「この人はなんで先に進まない仕事を必死にやっているんだろう?」と考えた。

「良いこと」なんだけれども、周りの誰も賛同しない。上司には話したくない(?)。

組織で働いている以上、それでは絶対に一歩も進まない。二十歳やそこらの新入社員なら、それじゃダメなんだよ~(^.^)と教えてもあげられるが、50も近いベテラン社員さん。私は派遣の身の上。きっと「病<やまい>なんだな」と私は思っていた。

「思うにきっと強迫神経症かな」と納得していた。納得していたから、その人の話も聞けたし、仕事のやり取りも普通にできた。

派遣やパートさんの間では、「あの人、病気だよね。」と話にでることもあった。

 

職場の状況もさることながら、家庭の事情も彼を追い詰めていたのかもしれない。もともとの性格なのかもしれない。

心療内科に通っていると聞いたのは、それから1、2年してからだろうか。

周りからの勧めもあったのかもしれないが、病院に行って診断を受ければ、皆が「病気」と認めてくれる。そうしたら、周りも少しは優しくしてくれて、本人も「俺は『病気』なんだ」と自分をいたわるようになる。

その前に、ほんのちょっと受け入れてあげたら、彼は「病気」にならなかったかもしれない。言うのは簡単か・・みんな頑張って働いてんだもんね。

ただ、診断病名がなくても「病気」の人はきっとたくさんいる。まさに、「気持ちが病んでいる」人は本当に多い。

軽度ならば、治すことはできなくても、進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることは、実はそんなに難しくないんじゃないかと思ってはいるんだけどな。

 昨今、有りえない本当に悲しくて残念な事件が起こるたびに、当事者の精神状態というものが話題になる。ふと、昔からこんなに精神状態の悪い人って世の中にいたのかな?と疑問に思った。加えて、精神の病名ってこんなに沢山あるのね…と驚く。

現代社会の歪が露呈されていると言われてもう久しいけれど、「メンタルヘルス」の必要性はなかなか認知されていなような気がするな。

 もっともっと「メンタルヘルス」について、語ってもよいのかな。